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​母娘の関係で悩んだら

第2章 自分らしく生きるために

第1章で説明したような「インナーマザーからのメッセージ」や罪悪感に支配されず、自由に、自分らしく生きるためにはどうしたらよいのでしょうか。ここではいくつかのステップをご紹介します。できれば同じ悩みを抱える誰かと一緒に、グループで行うと良いでしょう。一人でやっていると、これはおかしいことなのか、おかしいと感じる自分がおかしいのか、混乱してわからなくなってしまうからです。誰かと一緒だと、お互いを鏡にして、自分の位置を確かめながら進むことができます。また、自分だけではなかったんだ、という安心感、共感も得られます。決して明るい話ではないはずなのに、セミナーやグループでは笑いが絶えません。辛い話だからこそ、支えあい、楽しみながら取り組んでいくことが必要です。

​母のことを知ろう

あなたのお母さんはどのような人生を歩んできた女性なのでしょうか。

母親のことをどのくらい知っていますか?

<結婚前の母>

  • 生年月日 それはどんな時代でしたか?(例:戦後の貧しい時代、高度成長期、など)

  • 生まれた場所はどこですか?(例:東京都内の下町、地方の農家、など)

  • きょうだいはいますか?(例:4人姉妹の長女、兄二人の末っ子、など)

  • 母の両親との関係はどうでしたか?(例:祖母は優しい人だったが祖父は暴力的な人だった、など)

  • 最終学歴は?(例:中卒、その地域・時代には珍しい大卒、など)

  • 若い頃の趣味は?(例:ピアノを習っていたと聞いたことがある、映画好きだったらしい、など)

  • どんな子ども時代だったのでしょうか?(例:長女なので学校から帰ってきたら家事をやっていた、田舎なので山を走り回っていた、など)

  • ​どんな仕事に就きましたか?(例:保育士、地元の会社の事務、など)

  • 結婚は何歳の時に、お見合い?恋愛結婚?(例:会社で知り合った人と23歳のとき、お見合いで25歳のとき、など)

<結婚後の母>

  • 結婚生活はどこで?(例:父の仕事の関係で実家から離れた地方都市で、など)

  • 出産はいつ、どこで、どんな風に?(例:26歳の時出産、実家が遠く、姑に世話をしてもらったらしい、など)

  • 義父母との関係は?(例:月に一度は行き来していた、姑にいじめられていた、など)

  • 実家との関係は?(例:同居していた、近居でよく行き来していた、など)

  • ​父との関係は?(例:不仲でほとんど父は帰ってこなかった、父は寡黙で家ではあまり話をしているところを見たことがない、など)

 

<私が子どもの頃の母>

  • 母がやさしくしてくれたことは?(例:記憶にない、熱を出したときに看病してくれた、など)

  • 母が厳しかったことは?(例:門限に異常に厳しかった、テストの結果が悪いと叩かれた、など)

  • 母が作った家のルールにはどんなものがありましたか?(例:はしゃいではいけない、買い食いは禁止、など)

  • 母が得意だったことは?(例:お裁縫が得意でよく服を作ってくれた、など)

  • 仕事はしていましたか?(例:仕事は辞めていたがPTAや地域活動に熱心だった、公務員として働いていた、など)​

  • しつけや教育についてはどうでしたか?(例:勉強さえやっていれば何も言われなかった、ほったらかしだった、など)

<私が大人になってからの母>

  • ​私が大人になってからの母は?(例:主婦として家庭で過ごしている、友達とよく遊びに出かけている、など)

  • ​夫(父)との関係は?(例:ほとんど家庭内別居、父の世話が趣味のようになっている、など)

<現在の母>

  • 誰と暮らしていますか?(例:父親と二人暮らし、離婚して独居、など)

  • 健康面はどうですか?(例:健康で特に持病もない、数年前にがんの手術をした、など)

  • 経済的にはどうですか?(例:年金で生活している、不動産収入があり、お金には困っていない、など)

  • 趣味や好きなことはありますか?(例:無趣味でテレビばかり見ている、買い物が趣味、など)

  • 私との関わりの頻度は?(例:年に1回会うかどうか、毎週末、様子を見に行っている、など)

  • 社会との関わりの頻度は?(例:ほとんど出かけずに引きこもっている、週1回、デイサービスに行く、など)

  • 母が楽しみにしていることは?(例:庭の花の世話、テレビ、など)

  • 母が不満に思っていることは?(例:私があまり実家に顔を出さないこと、父のこと、など)

  • 母が私の助けになってくれることは?(例:体調が悪いときに孫の面倒をみてくれた、など)

  • 母が私を脅かすことは?(例:毎晩のように電話をして不満を言う、時々大量の野菜や荷物を送ってくること、など)

・・・・いかがでしたか?これらは質問の一例です。

​あまり母のことを知らないことがわかった、という方もいれば、スラスラと答えられた、という方もいるかもしれません。

ここで重要なのは、客観的に母のことを見てみる、ということと、母親の時代の影響を知る、ということです。個人の体験を価値づけているのはその時代の価値観だからです。結婚の時期などもそうですね。以前は「クリスマスケーキ説」などといって、結婚が25歳を過ぎると売れ残りと言われた時代もありましたが、現在の結婚平均年齢はもっと上ですし、非婚の人も増えています。母の考え方や価値観にどのような時代背景や個人的体験が影響しているのか、母という人はどのようにして出来上がったのかを研究してみましょう。

​これはセミナーでは「私のお母さん紹介」として、(差支えない範囲で)グループの人に母親について話をしてもらいます。言葉にすることで、より客観性が高まり、俯瞰(ふかん)して母親という人物を理解することができます。

​インナーマザーからのメッセージに気づく

第1章で説明した「インナーマザーからのメッセージ」は規範意識となって罪悪感を引き起こし、自分を苦しめます。「マザー」に限らず「インナーペアレント」の場合もあるかもしれません。このメッセージを書き換えるのは時間もかかり、なかなか手ごわい作業ですが、「インナーチャイルド」と一緒に、自助グループなどの仲間やカウンセラーとじっくり取り組むことで可能になります。

私の中の「私」と、私の中の「母」を分けていくことが自分の人生を生きる一歩です。

罪悪感はあなたになんと言ってきますか?

  • 親の面倒をみるのは子どもの責任

  • 自分ばっかり楽しんじゃって

  • ​自分のことしか頭にないんだな

​​・・・など

罪悪感が沸き起こるのはどんなときですか?

  • 友だちと楽しく過ごしているとき

  • 理由があって実家に行くのをやめたとき

  • ​お金を自分のために使うとき

​​・・・など

インナーマザーからのメッセージはどんなものですか?

  • 母親を差し置いて楽しんではいけない

  • 母親を一番に優先しなければいけない

  • お金を自分のために使ってはいけない

​​・・・など

このインナーマザーからのメッセージを書き換えていく必要があります。

​単純に反対言葉にするのではなく、腹に落ちる言葉が見つかるまでじっくりと、カウンセラーなどと一緒に考えるとよいでしょう。

​これを自分へのメッセージとして少しずつ実行し、身体を慣らしていきましょう。

  • 自分の都合を優先してもよい

  • 自分の人生を楽しんでも良い

  • お金を自分のために使って楽しんだり、学んだりすることは良いことだ

​・・・など

境界(バウンダリー)を引く

第1章で紹介した境界(バウンダリー)の中で、侵入されやすかったり、混乱しやすかったりする境界はどれでしたか?

セミナーでは、チェックリストをやって、ご自身の境界について確認をしていただいています。

子どもの頃の体験で、侵入されてきたものがあるはずです。どの境界が混乱しやすいのかを知り、それを意識して生活することで侵入されたり、侵入してしまったりすることが防げます。侵入されやすい部分は、実は侵入してしまいがちな部分でもあるのです。

母との関係以外でも、人間関係の中で苦しさを感じたときには、立ち止まって境界を侵されていないか確認してみるとよいでしょう。

特に親から侵入を受けてきた人は「感情」や「責任」の境界が混乱しやすく、相手の感情(怒りや悲しみ)に責任(なんとかしてあげなくちゃ)を感じて苦しくなってしまうことがあります。これが転じて怒りに変わることもあります(こんなにしてあげてるのに!というのは責任の境界への侵入とも言えます)。

​しがみつきを手放す

子どもの頃にして欲しかったけれど叶わなかったことがあります。逆に、して欲しくなかったのに、されてしまったこともあります。

それは残念で悲しいことですが、過去にさかのぼって事実を変えることはできませんし、今から母親を変えることも難しいでしょう。

「こんなお母さんでいて欲しかった」という思い、例えば、「ほめて欲しかった」「父親の悪口を聞かせないで欲しかった」「甘えさせて欲しかった」という思いを自覚し、手放しましょう。それができなかった事情が母親にはあったのです。

もし、いまだに怒りを感じることがあれば、それが情緒的なしがみつきである可能性があります。

「手放す」ということは、「許す」ということとは別のことです。

​もう、その影響を受けずに生きる、ということです。

​情緒的なしがみつきに気づく

どんなときに母親に怒りを感じるのかを思い出してみましょう。

​身体がこわばる、なんだかイライラする、といった、言語化しにくいサインにも気づいてみましょう。感情に良い悪いはありません。好きだけど嫌い、そんなアンビバレントな気持ちもあるでしょう。

言葉にする

言葉にするポイントは次の通りです。

  • 母親との楽しかった思い出はなんですか

  • 母親に感謝していることはありますか

  • 本当はこうして欲しかった、こうして欲しくなかった、ということはなんですか

  • 手放したい思い入れ(情緒的なしがみつき)はなんですか

  • 母親に言ってほしい言葉はなんですか

​誰かに聞いてもらう

ここまでまとめた言葉を誰かに聞いてもらいましょう。

母親にあてた手紙にしても良いでしょう。

このとき、誰に聞いてもらうかが大切です。一般的なお説教や価値観を押しつけてくる人に聞いてもらうのはやめましょう。価値判断やアドバイスをせずに、あたたかい姿勢で、ただ聞いてくれる人を探しましょう。

カウンセラーやACの自助グループでも良いでしょう。

​最後に、手放したい思い入れにさようならをします。

セルフケアをする

このようなワークをするときは、いつも以上に自分をいたわり、セルフケアを十分に行いましょう。

  • 身体に良いものを選んで食べる、飲む(手作りの料理、有機栽培の野菜、ノンカフェインなど)

  • ぐっすり眠る(寝すぎも注意)

  • 軽い運動、身体を動かす(ウォーキング、ヨガなど)

  • 大きな決断はしない(離婚、転職、引っ越し、高額の買い物など)

  • 自分を傷つけるもの(ジャンクフード、アルコール、たばこ、ギャンブルなど)や、人から遠ざかる

  • 心地よいという感覚を大切にする(音楽、入浴など)

  • ​瞑想(マインドフルネス)

​焦らず、じっくりと、仲間や専門家と一緒に取り組んでいきましょう。

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