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Recovering Minds WATARU

ステップ10

ステップ10:自分自身の棚卸しを続け、間違った時は直ちにそれを認めた。


ステップの文言を読めば、ステップ4からスッテプ9まで、つまり「棚卸し」から「埋め合わせ」までを毎日やりましょうという提案であることがわかります。AAメンバーの間でも色々なタイプの「日々の棚卸し表」が非公式に出回っています。ステップ10の実践として、何年間も、毎日、日々の棚卸し表を続けているメンバーもいて、頭が下がる思いがします。私は、しばらくの間、やってみたことはありますが、続きませんでした。性分が怠け者のせいも多分にありますが、理由はそれだけではなかったように思います。棚卸しは「恨み」、「怖れ」、「傷つけた人」について書いてゆくものです。普通に生きていれば、職場や家族、プライベートな人間関係の中で、何かしらの陰性感情は、程度の差こそあれ、毎日、何かしら湧き上がってきます。12ステップがどんなに素晴らしいといっても、そういった人間関係上の問題が一瞬にして片付くわけではありません。ということは、毎日ステップ10をやると、同じ人が同じネタで、日々の棚卸し表に、毎日、登場し続けてしまいます。私の場合、それが自虐的に思えてきて、つらくなって止めてしまいました。あるレベル以上の出来事だけに絞ればとも思いましたが、そうすると今度は、「この怖れは、わざわざ棚卸し表に書くほどの事でもないな」と事実の矮小化、つまり、否認が始まり、回復が進んでいないような気がして気持ちが凹んでしまいます。何かほどよいステップ10の実践があればなぁと思います。自分は今、日々の出来事をスケジュール帳に、ごく簡単に走り書きしていますが、時々、読み返しては、もうひとひねりしてステップ10に昇華させる方法はないかなと妄想しています。


ビックブックの123ページに書かれている、ステップ10を描写したと思われる美しいパッセージを記して、今回のエッセイを締めくくります。「夜、眠りにつく前に、その日のことを建設的に振り返ってみる。恨みがましく、自分勝手で、不正直ではなかったか、恐れていなかったか。謝らなくてはならない人はいないか。誰かとすぐに話し合うべきだったことをまだ自分だけに留めてはいないか。誰に対しても親切で、思いやりがあったか。何かもっと良くやれたはずの事はないか。自分の事だけを考えてはいなかったか。人のために自分は何ができるか。人生の流れに自分の何を差し出せるか考えたか。心配や後悔、憂うつな考えのほうに流されないよう注意しなくてはならない。人の役に立つことができなくなるからだ。一日を振り返ったあと、神にゆるしを乞い、正すためにはどうすればいいのかを尋ねる。」



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