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ステップ3

最終更新: 9月2日

ステップ3 私たちの意志と生き方を自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした

初めてAAミーティングに参加して、このステップ3の文言を見た人は、たいていドン引きします。普通の人から見たら宗教の勧誘にしか見えないからです。そして「神」という言葉にとらわれて思考停止に陥り、私は宗教に頼るほど落ちぶれていませんと言ってAAを去って行きます。

アルコホリクス・アノニマスの創成期のメンバーの一人にジムさんという筋金入りのアル中がいました。お酒のせいで、いよいよ生活がたちゆかなくなり、39才の時に母親の実家に転がりこみます。後の手記の中で彼は、その時のことをこう書いています。「服と靴を母に渡し、鍵のかかる小さな物置部屋で寝泊まりするという条件で母は私を家に入れてくれた」。彼はビルやボブを含めた多くの初期のメンバー達と共に回復してゆくのですが、同時に12ステップやAAのテキストの編集作業にも深く関わりました。

ところが彼は筋金入りの無神論者でもありました。「神」という言葉に異常な嫌悪感を示し、当時の多数派であった宗教色の強いメンバーに食って掛かります。彼の無神論や反宗教的態度に嫌気をさしたメンバー達の中には、こっそり集まって、彼が再飲酒をしてAAから去ってしまうよう祈った者もいました。しかし彼は回復をものにして、しっかりとAAに残り、ステップ3の文言を決める際に「自分なりに理解した」というフレーズを「神」という言葉の前に付けさせました。酒は止まっても頑固なアル中オヤジらしい態度だなぁと一笑に付することもできますが、実は、この「自分なりに理解した」というフレーズのお陰で、その後、80年あまりの間に、私自身を含めて、どれだけ沢山のアル中の命が救われたか想像もつきません。この「自分なりに理解した」という言葉があったから、宗教とスピリチュアリティは違うものだという事に気づくまで、なんとなくAAを去らずにいることができたという話を、本当に多くのAAメンバー達が語るからです。

ジムの波乱万丈の人生はAAの書籍「アルコホリクス・アノニマス 回復の物語 Vol.1」の中に「悪循環」というタイトルで収められています。彼が後生大事にしていた無神論を棚に上げ、スピリチュアリティに心を開いてゆく件は、何度読んでも涙がこぼれます。晩年の彼は、身体が不自由になって施設に入所してからも、施設内でAAミーティングを立ち上げ、文字通り死ぬまで仲間の回復に人生を捧げました。


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