5月15日(日)の午後、表記のセミナーを開催いたしました。
弊社では心に関するさまざまなセミナーを開催していますが、このセミナーは少し毛色が違うかもしれません。ACや共依存、グリーフなどのセミナーは、個人の内面や家族システムを考えたり、感情に焦点を当てるものですが、このセミナーは問題を社会という面から大局的にとらえるものです。なぜなら、人の感情や価値観とは、その時代の社会の中で作られるものだからです。個人の内面、感情に焦点を当てながらも、個人から離れ、社会がどのように変化しているのか、社会で共有されている価値観とは何かを知ることは、大きなヒントをくれます。両方の視点が必要なのではないでしょうか。
今回は、第1回目ということで、母娘問題がどのように論じられてきたのか、戦後の母性研究にさかのぼって解説しました。女性の人生の選択は、このような心理学や精神医学の研究に強い影響を受けています。
「母の無償の愛」
「母が一番適した養育者」
「子どもを育てることで人間的な成長をとげる」
「母は自分を犠牲にして子どもを優先する」
こんな価値観が世間にはないでしょうか。
もちろん、あてはまる場合もあるでしょう。
でも、それは「あたりまえ」「生まれつき」「みんなそれで当然」ではないということです。
このような母性愛神話こそが、ACを苦しめている要因のように思います。
「無償の愛をくれるはずの母にこのような扱いを受けた自分には価値がない」という価値観につながっていくからです。
母の「支配性」に焦点を当ててお話をしました。
明確な虐待の場合もあれば、「あなたのために」という見えにくい支配もある、それが母娘関係における支配の特徴です。
また、娘は罪悪感に縛られて身動きができなくなります。
悲しそうな、辛そうな母の背中を知っている娘は、母を捨てることができません。
今回は「母の支配チェックリスト」を行いました。
参加者の方たちからは、「こんな支配の仕方もあるよ!」というご意見もたくさんいただきました。本当に、さまざまな抑圧を受けてきています。
もちろん、母娘関係のバックには父がいます。
そのとき父はなにをしているのか・・・?
このあたりは第2回目でお話したいと思います。
第2回目は7月18日(月・祝)の午後に開催予定です。
ぜひ、ご参加ください。
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