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第2章 アルコール依存症の心理
③ 否認について
アルコール依存症に特徴的な心理、それが「否認」です。
これは「防衛機制」と呼ばれるもののひとつで、自分の心を守るための働きをしています。事実をそのまま認めてしまうと、不快だったり不安な感情が呼び起こされるため、事実をかたくなに認めないのです。自分で自分に嘘をついている状態、ともいえるでしょう。
依存症ではこの「否認」の心理が強く働きます。依存していることを認められないために、酒を飲む理由、やめない理由を次々に作り出してしまうのです。
医師に「お酒をやめないと死にますよ」と言われた、家族に「あなたは依存症だと思う」と言われた・・・「あのヤブ医者め」「なにが依存症だ、大げさな」と思うのが否認です。
否認にはいくつかの段階があります。
第1の否認
「私にはアルコールの問題はない」
飲酒によって、家庭も仕事も健康も損なっているのに、自分の飲酒問題そのものを認めません。
「強い酒は飲んでない、ビールだけだから大丈夫」
「健康診断に引っ掛かったのは年だから」
「毎日飲んでないから大丈夫」
第2の否認
「私はアルコール依存症ではない」
たまたま飲みすぎたのが悪かっただけと考え、コントロールする能力が失われているとは考えません。今度から気をつけて飲めばいいだろうと考えます。
「今日は少し飲みすぎただけ、今度はうまく飲めばいい」
「たまたま続けて飲みすぎただけなのに家族が大げさに騒いでいるだけだ」
第3の否認
「私にはアルコール以外の問題はない」
断酒が継続してから出てくる否認です。アルコールに頼らざるを得なかった生きづらさの問題、心の問題に取り組む時期が来たとき、この否認が邪魔をすることがあります。
「酒さえやめれば元通り働ける」
「酒をやめているんだから誰かにとやかく言われる筋合いはない」
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