GWの5月1日~2日、かながわ労働プラザにて「グリーフワーク(悲しみを癒す作業)」セミナーが行われました。感染対策を十分に行い、マスクや検温、消毒は当然ですが、少人数、1人1テーブル使用、こまめな換気休憩、など、さまざまな対策をとりました。一時は開催が危ぶまれましたが、やっぱり対面で実施して良かった・・・そんなセミナーとなりました。
一人一人が抱えている悲しみにフォーカスをあて、2日間、取り組む作業は決して楽なものではありません。でも、同じように悲しみを抱えている人が共にいる、一緒に過ごす安全な空間がある、というのは支えになります。皆がお互いに支え合った2日間でした。
人は何かを失い、悲しみを抱えている人の話を聞くとき、つい、このようなことを言ってしまいがちです。
・ いつまでも泣いていたら亡くなったあの人も悲しむよ
・ 強くならないとだめよ、お母さん(お父さん)なんだから
・ なにか新しい趣味でもはじめたら
・ 時間が解決してくれる
・ 仕事に没頭していれば忘れられる
・ 被災者に比べたらなんてことない
・ もう過去は忘れて、前向きに生きましょう
・ あの人も最近、似たようなことがあったみたい、誰にでも平等に起こること
・ 仕事があって住む家があるだけでも感謝しなくちゃね
こんな言葉を言われたり、言ってしまった経験はありませんか。
どれも、相手を励まそう、元気になって欲しい、と思って出てくる言葉なのです。
しかし、こう言われてしまうと、喪失の悲しみは抑圧されます。
いつまでも嘆き悲しむことはいけないことなんだ、と思うのです。
喪失の悲しみをきちんと受け止め、悲しみ、癒していくにはプロセスを踏むことが必要です。そして、言葉にして誰かに聞いてもらうことが必要です。聞き手は上記のような言葉を言わないで聞くこと(これが難しいのですが)が必要です。なにか言ってあげなくちゃ、と思いがちですが、「それは大変でしたね」「そのときあなたはどうされたのですか」「亡くなられた方はどういう方だったのですか」など質問しながら、「そうでしたか」と静かに聞くことです。
悲しみのステップは行ったり来たりします。V字回復とはいきません。でもじっくり取り組んでいけば喪失の悲しみを癒すことができます。それは失ったもの(ひと)を忘れることではありません。失ったもの(ひと)とのあたたかい思い出を取り返すことなのです。
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